Nintendo Switchはコアゲーマー向けじゃない
日本は寒波に見舞われ、Twitterなどでは松岡修造はどこへ行ったと騒ぎ立てられていますね。
こんな寒波の中、任天堂は新ゲーム機「Nintendo Switch」の詳細を発表しました。
これまで任天堂やSIEは様々なゲーム機を発売してきましたが、最近ではゲームをゲーム機で遊ぶプレイヤーは減ってきたのではないでしょうか。
さて、その中で発表されたこのNintendo Switchに、任天堂は何を込めたのでしょうか。
私は「プレイヤーを連れ戻す」というのが任天堂の思いなのではないかと思っています。
金曜日に行われた任天堂の発表後、任天堂の株価は下落、ネット上での評価もやや不評といった状態でした。
一体何故か
まず、発表の内容について
ユーザーの多くは、これまで長く隠していた新ゲーム機の情報に大きな期待を寄せていました。
特に、これまで発売された3DSやWiiUといったゲーム機は値段や性能面など、あまり爆発的なヒットとはなりませんでした。
そういった流れを、今回のハードが変化するのではないかという期待が強く、もっとインパクトがある発表になると期待していた人が多かったようです。
また、機能的に価格が気に入らないといったユーザーもいますが、価格に対しての評価は個人の収入などにもよるので、ここでは触れません。
次に、性能面
Switchですが、家庭用ゲーム機であり、携帯ゲーム機という特徴を持っているため、家庭用ゲーム機としては性能不足、携帯ゲーム機としてはバッテリーが貧弱であるといった弱点を持っています。
どちらにも転べないような性能であるため、うまくゲーム機として生きていけるのか難しく感じ、ユーザーが不安になっています。
最後に、ソフト数
WiiUと同様に、今回もSwitch向けゲームソフトの本数が少なく感じられます。
特に、Switchの発売と同時に発売されるゲームソフトの本数は8本、しかもそのうち専有タイトル(Switchでのみ遊べるゲーム)は3本で、サードパーティ製のゲームは集まっていません。
この点から、遊びたいゲームがないので買わないユーザーも多くいます。
特に、キラーソフトとなるであろう「Splatoon 2」が夏に、「スーパーマリオ オデッセイ」が冬に発売となると、Switchは初動が遅れるのではないでしょうか。
ソフトの本数が少ないのには、様々な要因があります。
まず、ゲーム業界が冷え込んでいること。
10年ほど前は任天堂やSCEから発売されたゲーム機向けにどんどんソフトを発表、公開していた各ゲームメーカーは、今となってはスマートフォンなどのソーシャルゲームにおされ、力を失っています。
特に、家庭用ゲーム機はそれ自体の性能が大きく向上し、ソフトの開発費を購入してもらうだけでは回収しにくくなりました。
一方でソーシャルゲームは開発しやすく、また広告など安定してユーザー数がいれば収益を得ることができるため、多くのゲームメーカーはこちらへ力を入れています。
もし、ユーザーがゲーム機を使って遊ぶようになれば、きっとゲームメーカーも戻ってくるでしょう。
では、任天堂は何を目指しているのでしょうか。
おそらく、ユーザーをゲーム機へ連れ戻そうとしているのではないでしょうか。
これこそが「Switchがコアゲーマー向けでない」理由です。
【Nintendo Switch】Switchは今絶賛ゲーマーですって人を対象とするより、スマートフォン持ち歩いて遊ぶ子どものターゲットに近い気がする
— カー・キー (@ka_ki_niconico) 2017年1月14日
Switchのもつ特徴は、先程の通り「家庭用ゲーム機であり、携帯ゲーム機であること」です。
現在の日本人がゲーム機で遊ばないのは「時間がない」ということを理由としています。
テレビ画面の前でゲームを遊ぶという感覚は、現代の日本人が失った感覚の一つです。
スマートフォンなどの手短なデバイスで、少しだけ遊ぶのがゲームであるという捉え方をしています。
しかし、先程の通り、スマートフォンでゲームが出続けると、やがて家庭用ゲーム業界が衰退し、また一つの産業が消えてしまう可能性があります。
Switchは、家庭用ゲーム機から去っていった人たちを再び家庭用ゲーム機へ、そしてスマートフォンゲームだけだった新しい人たちを家庭用ゲーム機へ連れ込もうとしています。
【Nintendo Switch】スマートフォンより大きいけど、ゲーム端末としてはかなりよくできたハードだし、友達と遊べる機能も豊富
— カー・キー (@ka_ki_niconico) 2017年1月14日
携帯ゲーム機として使えるという点は、スマートフォンのように手軽に持ち運べるデバイスとして、そしてこのSwitchの魅力である「家庭用ゲーム機」として遊ぶという点を使い、携帯ゲームユーザーを家庭ゲームユーザーへ変化させることがSwitchの目標なのではないでしょうか。
【Nintendo Switch】ただそのあおりを受けて一人で遊ぶ比較的コアゲーマーの部類の人には受け入れがたいのかも
— カー・キー (@ka_ki_niconico) 2017年1月14日
Switchはまだゲームソフトが少ないゲーム機です。
このままでは本当にただ高いだけのゲーム機になってしまうかもしれません。
特に、友達や家族と、多人数で遊ぶことを心情としてきた任天堂としては、一人で遊ぶ、特にコアゲーマーに向けたゲームソフトは少ない印象でした。
Splatoonなど、少しずつそういった一人用ゲームを増やしてはいるものの、PlayStationなどと比べればまだ未熟であることは間違いではないでしょう。
今、任天堂が持つ使命は2つ
・誰もがすぐに楽しめるゲームを提供すること
・ゲーム機を離れた人、ゲーム機を知らない人にゲーム機を再び普及させること
これを見事成功させる必要があります。
大変な使命であることは間違いありません。
任天堂はこれまで、ファミコンなどでゲームを一般的なものにしてきました。
この挑戦も、ぜひ乗り越えてほしいと思います。